店がまえのよさだけで不動産業者を選ぶと騙される


店がまえのよさだけで不動産業者を選ぶと騙される

店がまえには費用がかかっている

不動産業者で、売買を中心とする業者(町の小さな賃貸業者の場合は違う)の場合には、ほとんどが店をきれいに飾り、応接間を広々ととっているのが現状です。投資物件販売業者の場合には、そのようにしてもなおかつ資金力もあり販売力もありますから、どれだけ店がまえをきれいにしても問題はありません。

しかし、それでもなおかつ投資物件販売業者の店がまえを見ると、事務机のほかに応接セットというのは、それほど広くとっているわけではありません。

ところが、わりあい新しく、それほど経営基盤もよいと思われないような業者が、ゆったりとした椅子と広々としたスペースをとって、いかにも自分の会社には信用があり、儲かっているかのように見せかけていることがあります。そして、店舗は自社ビルであるかのようにいいますが、借家であったりするわけです。

店がまえや案内用の車は信頼を得る上での道具

不動産業者の店がまえ、あるいは案内のための車というのは、信用を得るための、いわばはったりの道具と考えてもよいでしょう。そのような店がまえに、うっかり乗せられて、業者のすすめる物件を安易に買ってしまうと後悔することがあります。

むしろ、業者としては店がまえはこぢんまりとして質素でも、よい物件を紹介してくれて、着実な契約そして決済、引き渡しというものを行ってくれればいいわけです。店がまえを見にいくわけでもなく、画廊に絵を見にいくような気分で不動産業者を訪ねるわけではないのです。店がまえが質素なところほど、費用がかかっていないだけ余分な利益を出す必要はないわけです。

それだけゴリ押しをしない良心的な商売をしているということの証明にもなります。まず店がまえが質素であるか、あるいは華美になっているかで業者を見分けるということも一つのポイントになります。

きれいな店がまえは虚飾と思え

中小規模の不動産業者のなかには、それほど有名でもなく、歴史もなく、経営基盤もたいしたことがないのにもかかわらず、それこそ広々としたフロアを使い、社員もたくさん雇っているところがあります。

そのような業者は、いいときは非常にいいわけですが、いざ物件の流れがとまった場合には、たちまち人員制限をしたり、店の賃借料が支払えなくなり、いつのまにか店をたたんでしまうというようなことがよくあります。

華美な装飾品で飾られたスペースがあれば注意したい

中小規模の不動産業者で余分なスペース、ムダな飾り付けや備品を使うようなところは、経営感覚があまりなく、お客に対して見栄を張るための店がまえになっているわけです。いつかは経営に破綻をきたし、営業そのものも表面だけを繕うようになっていくわけです。

したがって、そのような業者から物件を買い、アフターサービスをしてもらいたいときには、すでにその業者は倒産してなくなっているというようなことにもなりかねません。

そうした場合、その店に責任があって費用もその店の負担、あるいはその店を通して先方の売り主の負担であるべきものが、仲介業者が倒産したことによって保証がなされないというようなことにもなります。きれいな店には、危険が潜んでいると考えていいわけです。

自社ビルですという言葉にだまされるな

不動産業者は「千三つ」というふうによくいわれます。「千に三つしか本当のことをいわない」まさに虚栄と見栄で商売をしているともいえるわけですから、十分に気をつけなければなりません。

ひとこと、ひとことの会話のなかに、小さなことですが、ウソが隠されていると、結局は、肝心な不動産物件を購入する場合でも、さまざまなウソや隠しごとがあるともいえるわけです。

言った言わないの水掛け論になると泥仕合なので避けたい

もちろん、重要事項説明書や契約書にウソがあると、宅地建物取引業法の違反になり行政処分の対象になります。しかし、口頭でいう場合には、いった、いわないの水かけ論になってしまいますから、多少おいしいことをいってだましてしまうわけです。

そのような口頭であっても、いったからには、やはり責任があるわけですが、書面に残りませんので、お客のほうが泣き寝入りをするようなことになってしまいます。したがって、口の上手な虚栄に満ちた業者には、十分に注意する必要があります。

事場を見せない業者は危ない

賃貸などを専門で扱っている不動産業者の場合、事務コーナーと、お客を接待するコーナーは、オープンになっています。これは、お客がきたときに、店全体がそのお客に対応しているのです。

多くの店舗でオープンになっている

また、同時に、店長やその他の営業マンが、どんなお客が自分の店にきているかということを、常に掌握すると同時に、店全体でお客に対して礼を尽くすというようなことになっているわけです。したがって、多くの店舗は、必ずオープンになっています。

一発屋の存在

ところが、小さな業者であまり名前が知られていないような場合、往々にして仕事場と応接間を分離し、仕事場をまったく見せないような造りになっています。これは主に、一発屋といわれる業者に見られる店がまえで、仕事場のほうに売り主を待たせ、応接間のほうに買い主を待たせて、同時に契約をしてしまうということもあるわけです。

また、その間に業者が介在して、中間省略の決済をするということもあります。あまりよい商売をしていない業者の場合は、仕事場の様子を見られるということは、そこで行われている会話がお客にきこえるのでまずい、だから仕事場を見せないのだというふうに見なければなりません。

自分の仕事場を見せようとしない、いわゆる隠し部分の多い業者の場合には、まず危険な業者であると思って間違いありません。

買うことを強要するのは歩合制の会社

私たちが物件を見にいったときに、不動産業者は必ずいくつかの物件を紹介してくれます。もちろん、まったくない場合は紹介しませんが、こちらの希望物件をいうと、それより高い物件、あるいはそれに似たような物件など、さまざまなものを用意してくれます。

あまり質のよくない業者の場合には、案内したうえで、物件の内容を正確にいわずに、うまい話ばかりを並べて、早く契約しないとなくなってしまうというにちがいありません。

良心的な不動産業者の場合

良心的な不動産業者の場合は、多少、騒音がある、老朽化しているが価格的には、どちらかといえば割安である等々、欠点も指摘しながら、正確に物件の状況を知らせてくれます。

歩合社員の多い不動産業者の場合は注意したい

歩合社員の多い不動産業者の場合は、これは掘り出し物で、めったに出ることはないというふうに、よいことずくめのことをいうわけです。そして、なんとかして買わせようという姿が見えます。

「それではお願いします」などといおうものなら、次の日に撤回しても、一度買うといったら買わなければならないなどと、人質にとったかのような応待をする業者がいます。

あいまいな応対は禁物

このような業者に対しては、あいまいな応待は禁物です。買わないということをはっきりいうことです。それでも、なおかついってくるようであれば、それは恐喝に当たり、宅地建物取引業法を超えて刑法の罪に当たるわけですから、それ以上はいってきません。このへんの頃合、チャンスというものを、また呼吸というものが、業者に対しては必要です。

送り迎えの高級車はコチラが払っている費用と思え

不動産業者のなかには、高級車で物件の案内をするところが多く見られます。しかし、そのような車は、費用が相当かかっているはずです。ということは、それなりの収益というものを得なければならないわけで、自然と荒っぽい営業になります。

不動産業界は派手な商売ではない

ところが、業者によっては案内のときには、タクシーを使うとか、電車で案内するとかの方法をとります。やはり不動産営業というものは、それほどうま味のある商売ではなく、高級車で移動するほどの派手な商売ではないわけです。

よいときは、よいわけですが、いざ売れなくなると、とたんに苦しくなるのが不動産業界なのです。したがって、そのような高級車に乗せられて、いい気分でいると、とんだ不良物件をつかまされて、後悔することになります。

比較検討は必ず行う

高級車に乗せられたときには、疑いの目で見るようなつもりで、ひとこと、ひとこと確認し、そして結論は、必ずその日に出さずにじっくり考え、他の物件と比較したり、他の業者にその物件について問い合わせするなど、いろいろな方法で間違いのない物件を買うようにすることです。

したがって、高級車は不動産業者の大事な道具の一つで、お客を安心させる、お客にその気にさせるための、いわばまやかしの道具であるということがいえるわけです。

堅実な会社は小さなスペースで商売をする

堅実な中小の会社といえば、町の賃貸業者を思い出すといいでしょう。間口も狭く、カウンターが一つあるだけで、奥にコピーやファックス、そして厨房セットがあるだけで、あとは客と営業マンとの応待のスペースしかありません。

カウンター一つでも商売はできる

不動産業者というのは、これで十分なのです。カウンター一つさえあれば、そこで契約もできますし商談もできるわけです。このような業者は、電話一本の受け答えがすべてきこえてしまいますので、堅実そのものの経営をしており、お客をだますようなことは恐らくありません。

ところが、わずか三、四人しかいないにもかかわらず、高級車と高級な店をかまえているようなところは、やがては消えてなくなると思わなければなりません。

浮き草のような虚飾だけの商売をしているような業者と、そうでない業者をはっきり分けないと、思わぬ失敗をすることがあります。このような業者の付き合う業者もあまり質のよい業者ではないわけです。

そのような虚飾に満ちた商売をするような業者には、決して近づかないほうがいいといえます。

一階にフロアのない店は経営が傾きやすい

不動産業者にとって大事なことは、通りからよく見える場所に店舗をかまえるということです。というのは、通りに店があると、そのへんに賃貸物件を探しにきたり、ワンルーム・マンションなどの買いたい物件がないかというような人は、その店を必ず訪ねるものです。それは、店そのものが広告媒体になり、人がどんどんと入ってくることになるわけです。

一階に店舗がないと広告費が増す

ところが、店が二階、三階あるいは五階というふうになっていると、店舗そのものは広告媒体にはならず、あくまでも住宅情報誌や販売図面、あるいはチラシ広告等によってお客を集めるしかないわけです。そうした場合、その分だけ費用がかかり、結果として荒い商売をするようなことになってしまいます。

一階に狭くても店舗をかまえているような業者は、着実な業者ということができます。ですから、店がまえ、店の場所、フロアによって、その業者の信頼性というものを知ることも一つの方法ということができるでしょう。

Copyright © 2015 損をする不動産投資の失敗例 All Rights Reserved.