不動産のトラブルなどで、都庁や県庁等にいくと、不動産に関する係官が相談を受け付けてくれます。しかしこの相談係員の対応は、初めての人に対して、「努力不足である」「不注意である」というように見ていることが多いように思われます。
相談員は、多くの人を相手にしており、疲れている場合もありますので、ときには不親切に、なげやりに答える場合もあります。できることなら、相談員のあまり疲れていない午前中の早い時間、午後であれば、昼食後すぐがいいでしょう。昼飯前とか、夕方の五時前の退社直前は避けたほうがいいでしょう。
そして、相談したいことを箇条書きにし、書類も整理し、相談員が相談を受けやすいような状況にしていくということも忘れないでください。こちらの誠意が伝わりますから、相談の内容についても、懇切ていねいに受け付けてくれるわけです。
また、できれば宅地建物取引業法などは短い条文なので、その関係法令を読むとか、詳しい人に話をきいてから相談にいくほうがよいでしょう。不動産のトラブルは、必ず業者、売り主、買い主の三者のなかに落ち度があるわけです。お互いが納得いくように処理し、指導するのが相談員の役目なのです。
業者は、もし落ち度があった場合、都庁等の指導を率直に受け入れ、これに対処しなければなりません。業者は、注意処分とか営業処分を受けますと莫大な損失を被るわけですから、役所の指導がいちばん怖いわけです。
そのようなことを心得ておくと、不動産取引において、万一、失敗しても、取り返すことができるわけです。したがって、最後まであきらめず、失敗した場合でも、行政庁にいき、うまく解決してもらうのがよいでしょう。