一般に不動産業者というと、あまりいいイメージを持っている人は少ないかもしれません。まず頭に浮かんでくるのは、だまされる、あるいは悪い物件をつかまされるといったことでしょう。
不動産業者が、全部そういう人ではないのですが、なかには、だまして頭金を没収するとか、あるいは悪い物件、隠れた欠陥のある物件を平気で売り付けてしまうというような悪い業者がいるからです。
例えば、ローン会社と結託して貸し物件を売り付け、購入する物件にはローンがつけられないので、他の空き担保のある物件に担保をつけて売ってしまおうなどという、新手の業者もいます。
また、有利な物件であるといいながら、実は業者の売り出し物件で、その業者から3%をもらい、なおかつこちらからも正規の手数料をとるというような、だまして物件を紹介するという業者もいます。
十分に注意して対応していかないと、不動産取引のことをあまり知らない人はとくにだまされやすいですから、できることなら不動産取引に詳しい人のアドバイスを受けながら、不動産売買をするのがいいでしょう。
とにかくなんでもいいから売りつければいいというような営業マンが結構います。不動産会社は、評判をよく調べてから選択しましょう。とくに初心者は、絶対条件として家の売買をする前に、まず不動産業者を選ぶことが、いちばん大事なことです。
よく慣れてきた投資家のなかには、契約のときに重要書類の説明あるいは契約書を見ない人がいます。しかしそれは危険です。必ず念には念を入れ、何回体験しても慎重にやっていくことです。
不動産業者のところにいって、物件の説明やローンに関すること、あるいは売買契約に関することでウソをついたりごまかされて契約させる営業マンもいます。
例えば、信販系のローンを借りていざ決済の段階になったとき、そのローン会社は抵当権をつけるのに、借りた金額の抵当権をつけるだけではなく、それに3000万円もプラスした根抵当権までつけられるようなこともあります。
その場合、事前には一切きいていなかったことで登記料が数十万円も余分にかかります。このように、事前になんの相談もなく、いざ決済のときにいきなりそのようなことをすることは、業者も当然知っていたはずですが、なんの説明もありませんでした。
このようなあまりにひどいやり方の営業マンとローン会社に対しては、一切信用してはいけません。
不動産業者として、営業マンとして生活していくためには、とくに完全歩合制の人の場合は、ある程度、毎月成績を上げていかないと生活することができません。したがって、安定的に不動産の取引ができ、仲介手数料を得ていれば、落ち着いた営業ができるわけです。
しかし、なかなかうまくいかないときには空回りが続くものです。このようなときには、完全歩合制の営業マン、あるいは歩合部分の大きい営業マンというのは、ウソをついて物件を売ったりするわけです。
ノルマに追われ、売り急ぎをするような業者の営業マンには、よく注意して付き合うようにしなければなりません。
できることならば、初心者はそのような営業マンには近づかないことです。不動産を選ぶときには、「物件よりも業者を選べ」ということがいわれますが、その理由は、このような業者内部の給与体系、個人のノルマ競争といったところにあることを知っておきましょう。